アレルギー性鼻炎と花粉症

ある特定の物質に対して、体が過剰な拒否反応を示し、その症状が鼻に及ぼす場合、アレルギー性鼻炎といいます。症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻つまりが主なものです。症状が1年中ある場合と、季節性に症状がある場合とがあります。

原因物質としては、ダニ、ハウスダスト(家のほこり)、カビ、動物などでも起きます。そういった抗原を鼻から吸い込むと、人間はそれらを排除しようとして過剰に反応し、連続するくしゃみや水性の鼻水、鼻づまりなどの症状がみられるのです。

またアレルギー性鼻炎は、自律神経の働きと関連のあることが分かっています。昼間は交感神経が働き、夜~朝は副交感神経が活発になるのですが、この副交感神経が活発になると、アレルギー反応が起こりやすくなりますので、日中は快適でも、寝る時に鼻が詰まったり、朝になり鼻水がグズグズしたり、寝起きにくしゃみを連発するのは、この影響によるものです。

原因物質

ハウスダスト

その他

アレルギー性鼻炎と花粉症の治療の流れ

1、初診~問診

①問診

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻のかゆみ、のど・皮膚・眼のかゆみ、発熱、頭痛などまたその発祥時期など薬や地域環境等あらゆる可能性を考えて問診していきます。不安なことや分からないことは遠慮なくお尋ねください。

②鼻鏡検査

鼻の入り口を開けて、鼻の粘膜などを観察します。通年性で重症の方は白く腫(は)れています。花粉症の方は、赤く腫れていることが多いです。

③鼻汁好酸球検査(必要な場合)

綿棒で鼻内の鼻汁を採取します。
アレルギー性鼻炎では、鼻汁中に好酸球という物質が確認されると、アレルギー反応による炎症の証拠となります。

④内視鏡検査(必要な場合)

アレルギー性鼻炎の方は、副鼻腔にも炎症があることがあり、レントゲンを撮って、副鼻腔の状態を確認します。副鼻腔炎(蓄膿)がある場合は、あわせて治療していくことになります。

⑤血清抗体検査(RAST)

血液を採って、どんな物質(抗原)にアレルギー反応があるか調べます。13項目調べて保険で5,000円程(3割自己負担分)です。何が原因かを知ることで治療の重要な柱である抗原除去回避や、治療時期を適切に判断する大切な情報になります。

花粉症では、花粉が飛ぶ2週間ほど前から治療を開始する初期療法を行うと、症状を軽くすることができます。

治療方法

抗ヒスタミン薬 点鼻薬 減感作
療法
レーザー
治療

特に鼻づまりのひどい方や薬の効きの悪い方など、他の治療方法での改善が見込めない場合

2、レーザー手術

局所麻酔

手術前に鼻粘膜の友面に局所麻酔を染みこませたガーゼを30分程度入れておくことで痛みを完全に無くすようにします。痛みが少しでもあると鼻水が大量に出てレーザー光線が鼻水に吸収されて粘膜に届がなくなり手術ができないため当院ではこの表面麻酔を念入りに行っています。

手術

レーザー治療は煙の発生があり、治療中は焦げ臭いにおいがします。介助の看護師が煙を吸引してなるべくのどに吸いこまないようにしております。手術中はジリジリという粘膜が焦げるような小さな音とわずかな刺激はあります。粘膜表面麻酔だけで痛みや強い刺激感を感じるようであれば再度塗布麻酔を追加します。

レーザー治療は片方の鼻で5分くらい、両鼻でも10分程度で終了します。治療当日はシャワーにしていただき運動も控えて下さい。

レーザー手術後

術後1~ 2週間は手術による反応で鼻水がかえって悪化したり、鼻つまりが悪化する場合があります。両側を同時に施行しますと、術後皮応性の鼻汁過多や両側の鼻づまりによって睡眠が充分取れなくて辛かったとおっしゃる方や鼻閉による口呼吸のために喉を痛め熱が出るような方もおられます。そのため特に初めてレーザー治療を受けられる場合は安全のため1回に片方ずつのレーザー治療をしていただいています。過去にこの治幕を受けた経験があって慣れている方は1回で両方でも可能な場合があります。

3、経過観察

鼻の中の炎症産物であるかさぶたを除去したり、色のついた鼻水がつくことがあるので、清掃します。この時期には手術後の一過性の鼻つまりが、かなり解消されているはずです。あまり鼻をかんだり、無理に自宅でかさぶたをとらないようにして下さい。

残りのかさぶたを清掃していきます。
鼻の通りもかなり改善され鼻炎も収まっているはずです。鼻の中の診察が順調であれば終了となります。

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なかがわ耳鼻咽喉科

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